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007.『白線流し』とワタシ(2001/10/31)

  • theamaries1994
  • 2021年9月9日
  • 読了時間: 5分

みなさんは、『白線流し』というテレビドラマをご存知だろうか。大学2年の頃(1995年か1996年)にやっていたドラマだ。当時ワタシはこれにすっかりはまってしまった。


このドラマのタイトルは、ある高校で実際にある卒業式の行事のことだ。その高校では、卒業式に同級生の永遠の友情を誓って、女子のセーラー服のスカーフと男子の学生帽のひもをそれぞれ結んで一つにし、学校の前の川に全員で流す。


この行事を通して若者の心を取材したドキュメンタリーがもとになって、長瀬智也・酒井美紀主演の『白線流し』というドラマが生まれたらしい。

その高校、ワタシの実家の学区内にある。当然「白線流し」という行事も知っていて、新聞のテレビ欄を見たときはビックリした。このドラマが放映されている時ほど、「この高校に行っとけばよかった…」と後悔したことはなかった。


先日、スペシャル版で『白線流し 旅立ちの詩』が放映された。それぞれに夢があってそれに向かって走ったものの、なかなか思うようにいかず悩んだり、現実に流されたりしながら、友に支えられて生きていく。

レギュラー放映されていた当時は、ただ酒井美紀のポニーテールに腰が砕けて毎週見ていただけで、ドラマのテーマを考えながら見てはいなかった。

酒井美紀が静岡出身であるとオカチンから聞いて、よけいに酒井美紀に親近感を持つようなり、3人で酒井美紀の母校の中学校へ行ってみようと話していたことがあるし、酒井美紀の高校の卒業式を見ようと、オカチンと2人で行こうとしたこともあった(これってストーカー?)。


話がそれたが、今回のスペシャル版は、ひさびさに見応えのあるドラマだった。いろんなことに一生懸命な園子(酒井美紀)のような女の子と付き合ってみたいなあと思いつつ、それがうざい渉(長瀬智也)の気持ちも分かるような気がする。「結婚しよう。オレは安心感がほしい」とプロポーズする慎司(中村竜)の心が痛いほどよく分かり、それを柔らかく拒否し、「もう潮時かな…」とつぶやくまどか(京野ことみ)に「付き合いが長いとやっぱりこうなっちゃうの…?」と悲しくなる。


ドラマの中で渉と園子がこうつぶやいた。「何人の人が今の自分に満足しているだろう」「何をしたいのかまた分からなくなった」。

この言葉にワタシはドキッとした。夢をかなえて希望の仕事に就いたのに、それに満足できていない自分。その喜びが分かりかけながらも、なかなか充実感が持てない自分。一つの夢をかなえたものの、そのあと自分は何をすればいいのか、なかなか「次」が見えない…。

渉と園子と自分では立場に違いがあるものの、今の自分に迷い、立ち止まっているという点では、同じような気がする。


渉と園子は、今の自分に迷いながらも、かつていっしょに白線を流し友情を誓い合った仲間の支えによって、新しい道を探す旅に出発する。


ワタシは、今の仕事に慣れ始めた頃、音楽を続けているオカチンとタケパンを嫉妬に近いくらいうらやましく思い、自分の置かれている状況に悲しくなった時期があった。

「なんであいつらは仕事もしながら、好きな音楽もやって充実した生活を送っているんだ…。それに比べて自分はなんで毎日仕事に追われて遊ぶ時間もとれず、ギターも満足に弾けず、家と職場の往復しかしてないんだ…? 自分が見ていた“夢”ってこんなだったのか?」

「オレだって、もし静岡に残っていたら、2人といっしょに音楽を続けて充実した生活になっていただろうに…」

2人は楽しく音楽を続けている。CDをつくるなんて話もある。少し前まではいっしょにやっていたのに、この差は何!?

そんな自分が嫌になって、自暴自棄になりかけた時もあった。何も動かずにタケパンやオカチンをただうらやましがっている自分が嫌で、一人で名古屋へ行ってストリートをやった時期があった。


金山駅前で歌いながら、あることを考えるようになった。

「オレが今こうやって歌っているのは何のため?」

自分の歌をたくさんの人に聴いてもらおうとはあまり思っていなかった。思いっきりギターを弾いて好きな歌を歌えるだけでいいと思っていた。道行く人のほとんどが見向きもせず去っていっても悔しいとは思わなかった。

こうやって思えるのはなぜ?一人でストリートをやれる勇気なんか持ち合わせていなかったはずなのになぜ?


 歌を歌いながら、いろんなことに気づいた。遊ぶ時間がないのを仕事のせいにして、自由な時間を作り出そうという努力を怠っていた自分。ギターを弾いて歌える自分。一人でもやれることはある。人の生き方をうらやましがる前に、今を一生懸命がんばらなきゃいけない…!。


そんな気持ちにさせてくれたきっかけは、Amusement Taoだった。タケパンとオカチンだった。2人が音楽をやり続けてくれたから、自分もストリートをやるようになった。ストリートをやってみて今の自分を見つめることができた。自分を見つめるきっかけを与えてくれたタケパンとオカチンも、THE AMARIESがあったからこそ、Amusement Taoとして音楽を続けているのだ。


そう考えると、たった4年間だけだったが、「THE AMARIES」というものをつくり上げた仲間がいたからこそ、今の自分があるような気がする。「腐れ縁」だろうが何だろうが、「THE AMARIES」を共に形づくった仲間がいるから、「今、がんばろう」と思える。そして3人が集まれば、「THE AMARIES」に戻ってコミックを歌い、ハモり、おなかが痛くなるほど笑う。そんなこんなでつき合ってもう7年以上たった。


『白線流し』を見ながら、「帰れる場所」があることの大切さ・喜びを思った。そういえばアムロ・レイも、ジオン軍の基地からホワイトベースの仲間のところへ戻るときに、「ララァ、ごめんよ。僕には帰る場所があるんだ…」と言っていた。

自分には「THE AMARIES」という故郷がある。3人が集まれば、そこが「故郷」だし、このHPも「故郷」だ。

『白線流し』の渉や園子のように、くじけそうなときは「帰れる場所」に立ち寄って、あの頃の思い出からエネルギーをもらって、また再び自分の歩むべき道を探しに行こうと思う。そしていつまでも「帰れる場所」を大切にしていきたい。

 
 
 

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