THE AMARIES資料館
HISTORY
01.結成
02.ホットケーキ
03.トライアングル
04.デビュー
05.
06.
07.
08.
09.ショック!!
10.試行錯誤 前編
11.試行錯誤 後編
12.シーズンライヴ
13.「バンド」
14.勝負!前編
15.勝負!後編
01.結成
静岡大学教育学部小学校教員養成課程社会科専攻に入学したTHE AMARIESの3人だったが、入学当初から特に仲がよかったわけではない。
入学当時の学科の友人関係は、「新入生歓迎合宿」なるものに参加したか否かで分けられていたかんじだった。3人は「合宿不参加組」に所属しており、そこにジュン、サトシ、池2やタカヒデらがいた。
この「合宿不参加者」の中でも音楽に興味を持っていた3人で、「新歓ライヴがあるらしいから、一緒に行ってみない?」という話になった。
当時リーダーは、もともとやっていたドラムを本格的にやるためにサークルに入ろうと考えていた。タケパンとオカチンは、大学入学を機にギターを購入し、音楽をやろうと思っていた。
Butしかし、3人は、新歓ライヴを開催したサークル(通称「F研」)の音楽に驚いた。自分たちの予想と実際の差はあまりにも大きすぎた。そのサークルに入部してみたものの、ポップな邦楽をよく聴いていたタケパンやオカチンはもちろん、ハードロックも聴いていたリーダーですら、サークルの空気になじめないでいた。
タケパンやオカチンはミーティングにすら現れず、一人でミーティングに通っていたリーダーもこのサークルから遠ざかっていった。
結局どこの音楽系サークルにも所属できず、宙ぶらりんになった3人であったが、「リーダーがギターを弾ける」ということが、音楽活動を継続させる原動力となった。
高校時代、アコースティックギターに傾倒していたリーダーは、その頃からオリジナル曲をつくっていた。そんなリーダーは、GWに帰省した時にオリジナルの歌詞を書き、GW明けにオカチンに見せている。その歌詞を見せた授業中に、オカチンは『NAME HAME』を書き上げ、リーダーに作曲を依頼している。それは、「バンドを組もう!」という明確な意思のものでの行動ではなく、ただのお遊びだった。とはいえ、リーダーの当時の日記を紐解くと、5月7日のところに「THE AMARIES」という言葉が登場している。このネーミング自体“お遊び”な感じがするが、まさかこの名前が大学時代を通して使われるとは、当時のリーダーには思いもよらなかった。
そんな中、クラスコンパが開かれることになり、その前日に『NAME HAME』に曲を付けたリーダーは、クラスコンパにギターを持っていき、クラスの一部の前で披露。ついでに、リーダーは高校時代に作った歌も歌ったらしい(リーダーの記憶にはないが)。この時、タケパンは、リーダーが歌った『いつもの帰り道』にいたく刺激を受けた。これがきっかけでタケパンはギターを買う決意をする。
この頃から、「ギターや歌を通して遊ぶ」ことを徐々に共有し始めていたのが、リーダーとオカチンだった。自分の書いたおかしな歌詞(通称:コミックソング)にメロディがつけられ、「歌」として成立するおもしろさ。人が書いたおかしな歌詞にメロディをつけ、「歌」として成立させるおもしろさ。そしてそれをギターを弾きながら歌うおもしろさ。リーダーとオカチンは、そのおもしろさを共有し始めていた。一方、タケパンは、歌を自作(通称:まじめソング)し、それをギターで歌っているリーダーの姿に刺激を受けていた。
オカチンやタケパンには、作詞はできても、それを曲をつけ、ギターを弾きながら歌うことがまだできなかった。当時それができたのがリーダーだった。
こうして、リーダーを拠り所に、コミックソングつながりのオカチン、まじめソングつながりのタケパン、というやじろべえのような関係ができあがっていった。これは単に、リーダーが「2人のギターの先生」だということであり、2人のギターの習得が終われば、その関係は終わっていたかもしれなかった。
しかし、ギターのレッスンを通して3人で遊ぶうちに、リーダーは2人に、かけがえのない魅力を発見する。それが「コーラス(ハモる)」ことだった。
リーダーはアルフィーが大好きで、彼らの魅力の一つが「3声コーラス(ハモること)」である。しかし、高校時代はリーダーの周りにハモれる相手がおらず、さらに部活にも力を入れていたため、時間もなかった。そんな高校生活を送ったせいで、ドラムと同様、「ハモる」ことも、大学に入ってやってみたいことの一つだった。
Butしかし、自分の周りに友達がいるからといって、みんながハモれるかというと、そうとは限らない。逆に「ハモりたい」と思っても、自分自身ができなければ元も子もない。その点、この3人には「ハモる力」があった。タケパンもオカチンも、3人でハモることにも興味をもち、3声コーラスの気持ちよさにはまる気配があった。ギターを持ち寄って遊ぶ中で、リーダーは2人の「ハモる力」を知り、「3人でギターを弾いてアルフィーの曲とかハモれたら楽しいだろうな…。」と感じるようになった。
こうして、やじろべえのような関係で始まった3人が、「3声コーラス」を通してトライアングルの関係になり、それぞれのやりたい音楽がこの3人ならできる、と本格的に思ったのが、大学1年の9月、夏休み明けのことだったと思う。
→02 やじろべえ