003.入院とワタシ 前編(2001/9/15)
- theamaries1994
- 2021年9月9日
- 読了時間: 2分
ワタシはもともと体は強いほうではない。しかし、「入院」したことがなく、ワタシの密かな自慢だった。その自慢を打ち崩されたのが、2001年1月のとある日曜の夜だった…。
「ああ、明日からまた仕事が始まるなァ~」と“サザエさん症候群”にかかりつつ『笑う犬の冒険』を見ていた8時15分すぎ、突如右の背中に激痛が走ったのだ!
ヘンな姿勢でコタツにもぐっていたので、はじめは筋肉がつったのかと思った。でも筋肉のそれとは痛みの質が違う。そのうち痛みで冷や汗が出てきた。でも、こんな場所にこんな痛みを感じたことがないので、原因が分からない。メダパニにかかったワタシは、何を思ったかトイレに駆け込んで便座に腰掛けた。背中の痛みで下痢であるわけがないのだが、痛みの原因が分からないのだから、「下痢」の可能性を疑ってしまうも仕方がない。
しかし、そんなことで痛みがやわらぐはずはなく、ますます激しくリーダーに襲いかかる。リーダーは一人暮らし、相談できる相手がいない。
「もうこれは救急車しかない!」-意を決したリーダーは、生まれて初めて「119」を回す。
「はい、火事ですか?救急ですか?」
「救急です」
「どうなさいましたか?」]
「急に背中の方が痛くなって、でも原因が分からないので…」
「救急車は必要ですか?」
「はい、できれば…」
「では今から行きますので、あなたの住所をお名前を教えてください」
「あの…、できればサイレンを鳴らさないで来てほしいんですが…」
「えっ!?そんなことはできません。救急だからサイレンを鳴らすんです。もしそこまで急ではないのなら、ご自分で対処していただくしかないんですが…」
「はい、そうします。家の近くの救急病院を教えてください…」
生まれて初めての激痛に襲われたにもかかわらず、公共サービスの提供を拒否してしまった。なんと愚かな…。
痛み出した頃より少し痛みが和らいだものの、まっすぐ立つことができず、息もしづらい。それでも自分で運転して、救急から紹介してもらった病院に電話をして急患で診てもらった。
「こりゃ、“石”ですねえ。」と笑いながら当直医の先生がのたまわる。
「へっ?」とわけの分からないワタシに先生は、「結石ですよ。結石。たぶん間違いないでしょう。鎮痛剤をうっときますから、明日検査に来て下さい。」
「はい。」-ワタシの心は憂鬱になった。「オレの体の中で何が起きてんだ…? 何でオレの体の中に“石”があるんだ…?」
幸い痛みはなくなって肉体的には平穏になったものの、心の中は今まで経験したことのない「不安」にさいなまれて、ぐっすり眠った。
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